日記

思いやりと尊重と要求のはざま ~お店とお客の関係~


こんばんは。店長ノムラです。
表に出さなくてもいい話かもしれませんが。。恥を忍んで。心の整理のために書きます。

———————–

11月も終わろうかというある日。
10年強営業する当店に、過去に見たことがない風貌のご年配女性が1名やってきました。

バナナを買い占め、次の日も買い占めます。
さらに「全て1本ずつ切り離してください。他の店でもそうしてもらってました」とご要望が。

「??」

初回/2回目と私が不在でそれぞれ異なるスタッフが対応してくれてましたが、1本ずつ切り離すと30本になる日も。徐々に要望がエスカレートしました。
—————
話は変わって。
私&スタッフの”気づき・思い遣り”でする仕事と、
相手方の”毎度やって当たり前”という指定はニュアンスが異なります。

生産者/販売者/購入者。
3者すべて対等関係であり、互いの理解と尊重の上に商売は成り立つものです。
昔の大御所歌手の方が『お客様は神様です』と表現したのも
“お客=神であり、どうふるまっても許される”のではなく
“お客=神であり、全てを見ているのだから手を抜かず日々仕事に励みましょう”
言い換えると『日々是精進』のニュアンスが最も近いといえます。

このHP表紙にあるコンセプトに記したように
私は、当店で買い物される方皆さんに
【美味しい状態で渡して食べて、喜んでもらいたい】のです。
—————-
本題に戻ります。
その後も買い占めは続き、
水曜の特売日は『1家族様2袋まで』と明記しているにもかかわらず
目もくれず全部買おうとする始末。

普段は面と向かってここまで踏み込んだ内容で言わないのですが…はっきりと伝えました。
「アナタは毎日朝来ては買い占めて行きますが、売り切れた後営業時間終了まで、買えずに残念な思いをするお客さんの気持ち、聞かれる都度売切れを伝えるスタッフの気持ち考えたことありますか?」
—–
みるみる血圧が上がるのが、自分でもわかりました。
—–
お互いが許容できる買い物のルールを決め、その範囲(営業日毎日2袋分)でならご用意することにしました。また、大量に必要なら(売切れや在庫負担/食品廃棄ロスを防ぐため)事前に注文してください。とも伝えました。何度も念押しして。

その後1週間程度、挨拶もし、会話もありつつバナナ6~8本(2袋分)だけを毎日購入。
スタッフとも風変わりな人だよねとは言いつつも、毎朝用意してお待ちしてました。
相手方も理解して買ってくれているものと思っていました。

他方、先週から見られた傾向で
朝、バナナ買ったその方が夕方も店前を通り過ぎるようになりました。
※冒頭繰り返しますが、ここ10年で見たことのない人です。
別途電話でのバナナ問合せも多く入るようになりました。2袋取置きで。
問合せされた方は今まで利用されたことのない方や、明らかに年代が若い(生鮮品を買い慣れてない)学生さん。。バナナだけ買いに来ます。

「?」は頭の片隅にありましたがそのまま営業を続けた数日後。
夕方、やはり不慣れな方が「バナナ2袋下さい」と来店。在庫が2本入り3袋しかなかったためその旨をお伝えすると
「頼まれた物(者?)ですが、これでいいのかしら?」と私に言います。
———–
みるみる血圧が上がるのが自分でもわかりました。
———–
堪忍袋って、あるんですね(笑)
どうにか感情こらえて、お渡しする買い物袋の中に
「ルールを破るようでしたら、もう来ないでください」とメモを入れました。

数分後。やってきたその方に
自分でもびっくりするくらいの声で
「あなた、自分が何をしたかわかってますか?見ず知らずの通りすがりの人掴まえてまで欲しがるとか、何とも思わないんですか?」

それでもバナナ欲しいとすがるその方に
「言い訳無用、今日は帰ってください。明日渡す分も渡したので明後日来てください。」と伝え、1人の営業に戻りました。
——–
信用はどれだけ積み重ねても一瞬で振り出しに戻ります。
振り出しに戻れず、ゲームオーバーの時もあります。
個人店主は諸々の綱渡りを信用でわたり続ける仕事。
失敗もしますが、信用の大切さ/続ける大切さはわかっているつもりです。

定休日を迎えた今日まで、正直血圧上がりっぱなしで落ち着かず、眠れない日々でした。
普段の営業活動に支障あるレベルです。
————–
私の下した決断。
————–
接客歴23-4年で初めて、対象の方を”出入り禁止”としました。

むしろ今までがご理解あるお客様に恵まれていたのかもしれません。
居酒屋の出禁=酒癖悪い人は聞いたことありますが、
今回は買い物マナーが異常に悪かった人だったんだな、ということで片づけることにしました。
仮にその方が当店に悪評価をし、評価を下げる内容を周囲に言いふらしたとしても、甘んじて受けますしもう気にしません。

経緯は書いた通りです。
営業当時居られたお客様やこの投稿を見た方に、ご理解ご判断いただけたら、それでヨシとします。
—————————
どの業種の個人店でも(チェーン店でも)
働くスタッフやオーナーが気持ちよく働けないと営業が続きません。

言葉の刃でヒトを傷つけることも承知しています。
しかしこれはお互い様です。
今回は強い意思表示と決断をし、通告/公表した次第です。
——–
私やスタッフのメンタルは店の雰囲気となって現れ、活気へと昇華して好循環が生まれます。

逆もまた然り。
ここ数週にわたり、冴えない顔で大変失礼しました。
まもなく40歳を迎えます。
コレもひとつの勉強。区切りをつけ、心新たに年末商戦に取り掛かります。


この記事に関連するタグ

売場は世間の鏡 店長日記