日記

有機JAS・農薬肥料使わない、は『イイモノ』『安全』を保証していない件


画像は当店定番のインカバナナ。毎週水曜は360⇒298円で特売やってます。
とにかく美味しい。斑点/シュガースポットが出てくる頃が歯ごたえ・甘さ・香りのベストタイミングです。有機JAS認証取得。ごくまれに輸入~検疫時の検査結果から燻蒸処理される場合があり、この時は同じインカバナナでも有機JAS認可が下りません。シールなしで流通します。

 

※以下は農産物(主に野菜/果物)の話としてご覧ください
※畜産/漁業の有機JAS認証制度は、違った視点から環境や生態系に直接的な効用があると考えます

 

こんにちは。店長ノムラです。
2002年から都内いろんな地域で産直八百屋やってきましたが
店頭で聞く”問合せ頻度”不動の第1位、今も昔も回数が減らない
【有機JAS農産物が安全と聞いて…問題】
を取り上げます。

 

私は、これまでの販売仕事において
・有機JAS認証を取得した野菜(&農産物)
・いわゆる農薬不使用/化学肥料不使用として売られている野菜(〃)を
農薬や肥料を使ってないから、と
栽培表示だけで優遇したり
『美味しい』『イイモノ』『体に安全(≒害なし)』と
お客様に伝えたことはただの一度もありません。

 
農薬/化学肥料使って栽培した野菜はキケンとも言いませんし、
当店が「有機野菜の店」「自然食品の店」と言ったこともありません。。。(心の声)

 

生産者が栽培しているときに気を付ける「安全かどうか」と
消費者が購入/調理し食べる時に気を付ける「安全かどうか」は内容が異なるように思います。
補足1に転載します。

 

◆表示・表記について◆
有機JAS認証/農薬化学肥料不使用 は『ある栽培ルールを守った』表記に過ぎません。
元からあった自然を田畑に開拓した農業。農業自体が環境に大きな負荷をかけます。
いわゆる有機農業は『田畑に使える材料を通常ルールより厳しくし、環境負荷を幾分減らした』農業という内容です。それ以上でもそれ以下でもありません。

 

有機JAS認証/農薬化学肥料不使用だけでは“モノの良さ”や“美味しさ”を担保しません。農薬使用or不使用の条件差のみで、食味の差・できあがり状態の差がつくことは相当まれです。慣行(農薬肥料を使う)栽培でも、使いどころが的確で野菜くだものを美味しく育て上げる生産者の方はたくさんいらっしゃいます。

 
◆現在の農薬事情、及び使う理由◆
先の文で『通常ルール』と書いたように
現在の慣行栽培において農薬を使うルールは厳格であり、
現在の農薬=処方箋と捉えてもらった方が正確です。
対象も限定されますし、効き目も切れます。
補足2に転載します。
⇒参考
◆当店過去ブログ 農薬と肥料の役割1◆
◆当店過去ブログ 農薬と肥料の役割2◆
◆当店過去ブログ 農薬と肥料の役割3◆

 

※追記※
いまだに農薬を【毒性強く、危険で、のべつまくなしいつでも無尽蔵に振りまいて使う】とイメージされる方が特に都市生活者(畑が身近にない消費者、と定義します)に多いようです。
私の勝手な見解ですが、都市部では身近に農業を体感できる場所(田畑)がなく、覚えた当時の、昔々は危険だったかもしれない内容を頼りどころとし【大きな誤解・更新していない情報】のまま固定観念となって現在に至ってしまったように感じます。
情報を1970年代からアップデートしていない、と表現すればどれほどのことかおわかりいただけると思います。

 

ホームページ等で農薬使用履歴を示す生産者さんも多いですが、消費者がそれを知らない&使用理由まで興味関心が届かない場面が圧倒的です。生産者⇔消費者の相互理解が進んでほしいし、中間にいる私も(今後も)発信して参ります。

 
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では”美味しさ””イイモノ”を決める要素って何でしょうか。
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◆美味しさ・イイモノを決めるのは?◆

野菜に関しては鮮度(or食べ頃)を管理することにあると私は考えています。

 

生産者と私(販売者)の野菜鮮度を比較します。
“採れたて鮮度”のまま収穫+発送1日の生産者直送便と
直送便を受けて売場に並べる私。
美味しさを損ねない・鮮度を失わないよう、なるべく短い時間で販売しお客さんに食べてもらうことが求められます。
販売者たる私が普段から気をつける(変化が大きい)指標は『鮮度』です。

 

見方を変えると。
これまで有機JAS農産物の売場で買い物され、鮮度面で常に概ね満足されている方はほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか。
語弊恐れずに言えば、有機JASを取り扱う販売者(小売店/売場/自然食品店)が”ヨサソウナモノ”価値あるモノとして高く売りたいのが見え隠れします。“商品力”“美味しさ”に満足する場面が少ないのはひとえに『売場の怠慢』以外の言葉で表現しようがありません。
流通や売場が『ガチの鮮度管理』をしないから、生鮮品「売場」ではなく劣化商品が並ぶ「置場」となり、悪循環を生むのです。

 

生産者出荷段階では鮮度ヨシの”イイモノ”が、売場に並び~消費者が買い~食べる時点ではザンネンなコトになる。どこの売場でも起きている現状です。

 

鮮度の話を続けましたが、コトはもっと単純。
私(当店)は売場に並ぶ野菜が
常に見た目1発で「美味しそう~^^」
食欲をそそる状態で提供したい!と思っています。
⇒参考 ◆当店過去ブログ 野菜を買うとき◆
 

当店なりの販売ポリシーを遵守するのと同時に
生産者のポリシーも最大限尊重しています。
ただ、まずは“美味しさ”があってのもの。
どの栽培方法でも一般的な流通(出荷~販売)段階では一定レベルで食品安全を確保していますし、出荷商品を購入して食べる段階で気を付けなければならない点は「衛生面」です。
栽培方法の比較に大きな意味合いはありません。
生産者各自の工夫があってこそ生まれる”良さ””美味しさ”を当店では楽しんでいます(^^)
⇒参考 やさいやふうどのポリシー ◆当店過去ブログ 誰が作ったかわかるうまいもん屋◆

 

◆生産者ひとりひとりの工夫で(栽培方法関係なく)イイモノ作って出荷する
◆流通&販売者ひとりひとりの工夫で、良さを損なわないうちに販売する(=消費者に渡す)
◆消費者は良さを損なわないうちに食べる
◆消費者自身の好き嫌い

 

この4つの変数の掛け算で、イイモノの評価は変わります。

究極、農家/生産者⇔お客さん/消費者が直接繋がり、双方満足であればやさいやふうど(&小売店)は不要です。理想だと思いますし、私は晴れてお役御免です(笑)

 

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◆イイモノで信頼を得るために:情報トリセツ◆
【情報発信の正確さ・正直さ】は当店が信頼を得る最も近道だと考えています。

 

当店が関わる農産物/食品/農業分野でよりフォーカスされがちなのが
【栄養価・健康・農薬使用有無・害毒/危険/安全表現】といった内容の情報。

 

世間に溢れる情報は玉石混交です。テレビを含め正しいとは限りません。一連の表現の一部だけを切り取った内容など、正誤の判断がつかないものも多いです。
ありとあらゆるメディアで毎日毎時間毎番組、何かしらの『●●が〇〇に良い』と発信し続けています。

 
そんな正誤もつかない
些細で余計な情報に踊らされないでください。
情報を浴びても、判断できてこそ。

 

余計なストレスを抱えず
余計な出費を払わず
【日々の食生活をおいしく楽しむ】には?
情報に踊らされず、惑わされないことに他ありません。

 
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【おわりに】
『食べ物はおいしい』
栽培表示だけを見比べる前に
イイモノの価値やストーリーを語る前に
もういちど、ここから伝え、育てていかないと始まりません。
食事自体に興味がない方や、栄養や空腹を満たせばそれでよいと済ます方が、年代問わずかなり増えているように思います。
こんなことを言わなきゃならない現状は、食材屋うまいもん屋として情けない限りですが、
食材の美味しさを通じてお店もお客さんも生産者皆さんも”共に育つ”よう、一緒になって取り組んでまいりましょう。

 

派手さはなくても、毎日の”食べる楽しみ”をサポートできる存在でありたい。
やさいやふうどは常にソコを目指しています。
当店を支持してくださる皆さんを全力でサポートしますし、美味しく楽しんで買い物していただけたら幸いです。これからも当店は【当たり前すぎて、誰もやっていない道】を進みます。
⇒参考 やさいやふうどポリシーその2 ◆当店過去ブログ 2016年当時の抱負◆


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